ガソリンに代わる燃料の解説

バイオエタノールとは何か?ガソリンの代用燃料として普及してきたバイオエタノールの解説

◆バイオエタノールとは?

 バイオエタノールとはサトウキビや大麦、トウモロコシ、大豆などの植物資源からグルコースなどを発酵させて作られた「エタノール燃料」のことである。

 バイオ燃料という言葉を耳にしたことがある方は多いと思うが、バイオ燃料とはバイオマスで作るエネルギー物質全般の事を指し、バイオエタノールはバイオ燃料の一種である。

 バイオ燃料は発電の分野でもバイオマス発電として深く知られるようになってきているが、人類は古代のはるか昔からバイオ燃料を活用してきた歴史がある。

 モンゴルの遊牧民族は家畜の糞を乾燥させ燃料として活用している。

 また、稲わらなどを燃料としたり、現在でも暖炉では薪が使われているように、これらの植物を燃料とするエネルギーも広い意味でバイオマス燃料である。

 バイオエタノールは、グルコースを発酵させる抽出過程において若干の二酸化炭素を排出するが、ガソリンなどの化石燃料とは異なり多くの様々なメリットが期待されているエネルギー資源である。

◆バイオエタノールの特徴(理論上枯渇しない燃料)

 このバイオエタノールの最大の特徴は、石油などの有限資源である「化石燃料」を利用せずに意図的に栽培が可能な植物資源から生産される点にある。

 そのため、理論上ではあるがバイオエタノールは半永久的に無尽蔵に生成が可能なエネルギーであると言える。

 地球上に埋蔵されている化石燃料などの資源は有限であり、特に島国である日本は化石燃料の大半を輸入で賄っている国家でもある為、エネルギー問題は将来に渡って取り組むべき課題の一つである。

◆カーボンニュートラルの概念

 また、「環境問題」の観点からもバイオエタノールは生産過程に蒸留工程があり熱源を必要とする事から生産上若干の二酸化炭素発生があるものの、燃焼により発生する二酸化炭素は、排出量としてカウントされない点も注目である。

 これは植物の成長過程で行われる「光合成」という循環サイクルによるもの。

 植物は大気中の二酸化炭素を吸い込みながら光合成を行い成長する。

 この吸い込む二酸化炭素の量がバイオエタノール生成時に発生する二酸化炭素量よりも格段に大きい為、その際に再び大気中に若干の二酸化炭素が放出されても大気中の二酸化炭素の総量は循環して変化しないとの計算方法からである。

 尚、この二酸化炭素の循環無効のサイクルを「カーボンニュートラル」と呼び、近年問題視されている地球全体規模での温暖化に対する対策として急ピッチで研究が進められている。

 有限資源は我々の代では枯渇しないのかもしれない。

 しかしやはりいつかは有限である以上無くなって行くものである。

 有限資源を使い発展をしてきた現代の経済市場だが、今後はこれらの有限資源を自らの力で産み出す必要性が出てくるのは明らかである以上、バイオエタノールなどの植物を由来とする燃料分野は大きな成長産業として成長していく可能性が大きい。

◆バイオエタノールがガソリンの代用燃料として始動

 現在自動車メーカー各社が、このバイオエタノール燃料に対応する車の開発研究に乗り出している。

 バイオエタノールはガソリンの代替燃料として実用化への試みは既に行われている。

 特にブラジルでは急ピッチで進行しており既に一般のガソリンスタンドでもエタノール燃料を補給できるガソリンスタンドが大半である。

 バイオエタノールの生成は酒造と同じ原理で製造され、その原料はサトウキビや大麦、トウモロコシ、大豆などの植物資源。

 この植物資源からグルコースなどを発酵させ生成しているこの燃料が日本でも沖縄県宮古島で、サトウキビの精糖後に残った廃糖蜜を利用した実証実験を開始している。

 沖縄県宮古島のガソリンスタンドのガソリンに含まれるバイオエタノールの割合は、現在はまだ3%以下に留まっている。

 これは、既存のガソリンエンジン車にそのままエタノールを利用すると不具合が生じることが予想されるためだ。

 国家はこの問題に対して2003年5月に「揮発油品質確保法」を改正、エタノール含有3%の混合許容値を定めたのが3%の由来だ。

 このエタノール混合ガソリンは一般に「E3燃料」と呼ばれる。

 経済産業省はこれまでに、全国6カ所で「E3燃料製造」の実証実験を開始している。

 また環境省は、目標としてバイオエタノールを使った「E3燃料」の全面普及を目標として掲げている。

 尚、バイオエタノールの導入が最も進んでいると言われるブラジルでは、100%バイオ燃料に対応する自動車の導入を目標としている。

◆世界のホンダがバイオエタノール開発に着手!RITE菌で価格問題対策

 世界の自動車メーカーであるホンダが政府と民間企業の共同出資で設立された財団法人「RITE」と共同でバイオエタノールの新たな生成技術を開発しているのはご存じだろうか。

 温暖化対策として開発されているバイオマスエタノールであるが、従来のガソリンと比較し、まだバイオエタノールを導入するには、価格的な問題が大きく残されている。

 また、原料として使用されているサトウキビの増産を目指すブラジルの農家がオレンジ畑などを次々とサトウキビ畑に変換していることから、オレンジジュースなどの食品などの価格が高騰するなども社会現象も過去には発生している。

 このような状況の中、ホンダはサトウキビなどの従来の植物原料だけでなく、植物の廃棄となる部分を利用してのバイオエタノールの生成に成功してきた経験がある。

 これは、食用とならない、食物の茎の部分や、葉の部分から取り出した繊維質(セルロース)を使って圧力釜で繊維質を溶かし、「RITE菌」と呼ばれる微生物を投入し、糖分をアルコールに変換する技術である。

 この製法のカギとなるのは、遺伝子操作によって開発されたRITE菌(コリネバクトリウムグルタミカムR)の存在である。

 しかし、この製法には、繊維質を溶かす際に熱量が必要となる為、まだまだ試験的段階であると言えよう。

 このようにバイオエタノールは実用化に向けて多くの課題を残しているのが現状である。

 しかし、電力分野では自然界に絶え間なく存在する再生可能エネルギー分野が急成長を遂げているように、枯渇しないエネルギーとしては将来的にはガソリンに代わる燃料として期待されているエネルギー資源の一つである事は間違いないと言えるだろう。

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