配当金源泉税の税率・復興特別所得税

配当金源泉税・配当金確定申告に必要となる控除制度や計算式・税率などわかりずらい源泉税のしくみを初心者向きに解説

◆配当には現金配当と株式配当の2つの種類がある

◆配当金とは?
 配当とは、株式を発行している企業が営業活動で得た利益を決算期ごとに株主へ分配する事です。

 会社には大きく分類すると株式会社と持分会社がありますが、株式会社は株式を自由に譲渡が可能であるという特性を持ち、幅広く市場から出資金を集めることが可能です。

 しかし、平等性を保持する上でも出資した割合に応じて配当を分配する事が求められる為、株主は出資比率に応じて、比率分に該当する「配当を受ける権利」を持っております。

 株式会社制度はそもそも出資金を集め、営業活動を通じて株主に利益を還元することを目的として設置される法人組織です。

 その為、出資比率が高い出資者、いわゆる大株主であるほど、経営方針への発言権も大きく得られる配当も大きくなるのが通常です。

 尚、この配当には「現金配当」「株式配当」の2つの種類があり、一般的に配当という場合は、現金配当の事を指します。

 株式配当は年度ごとの決算状況によって配当される金額や商品などが異なり、これらは主要株主が集結する株主総会によって詳細が決められていきます。

◆持分会社の配当比率はどうやってきめるの?

 持分会社は、株式会社と比較すると組合的な要素を強く保持する会社形態です。

 現在の日本の会社法における持分会社では「合名会社」「合資会社」「合同会社」の3つの形態の持分会社が存在します。

 持分会社の最大の特徴は経営と出資が近く、各従業員の繋がりが非常に強い点にあります。

 また株主総会などの開催義務がないことからも主要経営陣で定款の作成や変更を容易に行うことが可能であり、また配当に関しても「持分比率」にこだわらずに会社への貢献度など、複数の要因を総合的に考慮し配当比率を決定していくことが可能となっております。

 持分会社は出資できる人員が決まっていたり、証券を自由に売買することもできないため、投資家が投資検討対象として目にする機会は少ないかと思いますが、持分会社の出資が求められるようなケースでは、これらの独特の特性がある点を把握しておくことが重要です。

◆上場株式の源泉税も非上場株式同様20%の課税対象となる?

◆配当金源泉所得税の計算式
 株式の配当金には実際どの程度の税率がかかってくるのでしょうか?

 ここではまず、源泉徴収制度による、法律で定められている数値を見ます。

 この数値、計算式を覚えておくだけで、他の項を一度理解してしまえば後は自分で計算できます。

 年度によって異なる点と上場企業、非上場企業の株式で税率が異なる期間がある点に注意して下さい。

◆平成25年までの上場株式の源泉徴収税率

◆上場株式の源泉徴収税率
 平成25年12月31日までは軽減税率が適用されていたため
●所得税7%
●住民税3%(これを配当割とも言う)
 計10%となっておりました。

 非上場株式は所得税15%、住民税5%ですが、これは軽減税率の適用期間内であった平成25年度内までの源泉徴収税率です。

◆平成26年以降の上場株式の源泉徴収税率

 平成26年1月1日以降、上場株式の株式配当金の税率は一律20%となりました。

 非上場株式の配当金税率と同じ税率になることから「上場株式を購入する税法上のメリット」が実質なくなる事を意味します。

平成26年以降の上場株式の株式配当金税率
●所得税15%
●住民税5%

◆非上場株式の株式配当金税率

◆非上場株式の株式配当金税率
 非上場企業の配当金源泉税率は変わらずに
●所得税20%
●住民税なし
 となっております。

 確定申告を自分で行なっている場合は、現在自分が取り扱っている株式が上場企業であるかどうかを確認しておく必要があります。

 インターネットで株式投資を行なっている場合は、証券会社が申告を代理で行うシステムが整っているケースが大半であるため取引前に税務申告の設定をしておくと便利です。

 尚、平成25年以降は上場株式、非上場株式ともに復興特別所得税が加算される事になっているため、若干税率が異なっております。

 既に導入されている増税制度ですから必ず確認しておきましょう。

◆復興特別所得税を加算した株式配当金税率

 競馬の配当金にかかる税金には年間の配当金総額の収支によって異なるという点はここまでの解説で理解できたかと思います。

 尚、収支の分岐点を簡潔にまとめると以下の通りとなります。

(年間の配当金による利益−的中馬券分の購入費用−50万円)÷2

 以上の計算式にあてはめて年間の収益を算出し、その金額がゼロ円以上かゼロ円以下か?という点が一応分岐点となります。

 もちろん、算出した金額が「ゼロ以下」であれば、「確定申告」をする必要も免除されることになります。

 例えば以下のような事例の場合は税金は無税となります。

◆年間で60万円のプラスで馬券購入費用が10万円の場合
(60万円−10万円−50万円)=0
0÷2=0

 また以下のような事例の場合は税金がかかる可能性があります。

◆年間で100万円のプラスで馬券購入費用が10万円の場合
(100万円−10万円−50万円)=40万円
40÷2=20万円

 このケースでは20万円が一時所得となる為、個人の所得に加えて所得税・住民税を算出することになります。

 但し、念のため注意しておきたい点としては競馬の配当金にかかる税金は「一時所得」に分類されますが、一時所得には幾つかの種類があり、それらの一時所得全てを合算した金額で計算するという点です。

◆株式配当金の源泉所得税に配当金控除制度が設置されている理由

◆株式配当金の源泉所得税【配当金控除制度】
 株式配当を受けた場合、実際に自分の手元に入る金額は一体いくらでしょうか?

 これは、源泉所得税率を差し引かれた金額が手に入る事となります。

 この差し引かれる金額の計算式については「配当金源泉所得税の計算式」の項を参照下さい。

 この計算式を用いると10000円の配当の場合、実際の手取りは8000円という事がわかります。

 と言う事は、すでに源泉税が差し引かれた状況である事がわかります。

 しかし、実際は投資家にも税金がかかります。

 これでは、企業が株式配当時に税金を払い、その税金を差し引かれた配当金に対して、投資家が税金を払う形になり二重課税となります。

 そこで、投資家が受け取る配当金については配当金控除という制度がします。

 配当金の控除制度を利用する事により、投資家は、二重払い分の税金の還付を受ける事が出来ます。

◆インカムゲインを主力とした株式投資手法が見直されてきている

◆インカムゲイン税
 インカムゲインとは、株式を保有する事による企業からの配当、また利子収入の事をあらわします。

 値上がり益を狙う「キャピタルゲイン」に対し、「インカムゲイン」では大きなリターンが見込めず、場合によっては「無配」になる時もあります。
※無配=決算後会社の業績や体力を考慮し配当が行われないこと

 現実的には自己資産を売却してまで配当を行うタコ配などと比較すると、業績の悪い年度や経営状況が悪化しつつある状況が経営分析で明らかになっている場合などは無配の方が長期的には安心できる部分もあります。

 但し、通常インカムゲインは企業がしっかりと営利活動を行なっている場合は「株主への利益の還元」という株式会社の本来の設置目的に応じて様々な形で配当がなされるものです。

 預貯金に対する金利にわずかな回復の兆しが見えてきている近年ではありますが、定期貯金などではまだまだ十分な利子配当を見込める状況ではありません。

◆株主優待券・割引券も人気

 そこで近年、インカムゲインを主力とした株式投資手法による運用が改めて見直されてきております。

 尚、株式投資によって配当を受けたインカムゲインには源泉税が課税されます。

 インカムゲインの種類としては、会社の割引券やパーティー招待券などの株主優待券の他、記念品や商品券などで配当が行われるケースもあります。

 中には株主しか手にすることができないプレミアム製品が手に入る可能性もある為、インカムゲインは低金利政策が実施されている今日において注目を集めているのも事実です。

◆内部留保という視点

 投資銘柄を検討する際は四季報や公表されるより詳細な決算書を確認しながら銘柄を選択していく事になります。

 インカムゲインを狙う場合のポイントは、様々な見解がありますが「内部留保」をひとつの指標としている方も多いのではないでしょうか?

 企業の内部留保は、仕入費用や人件費、営業活動火から投資活動の収支、更に特別損失などの費用を差し引いた後に残る税引前営業利益に対して法人税や法人住民税を支払い後の剰余金です。

 企業はこの営業活動から得られた剰余金を次年度の営業活動の資本として資本組み入れを行う事ができますし、一部を配当として株主に還元することも可能です。

 決算書の財務諸表のひとつである貸借対照表の右下に配置される「純資産」の項目には、この剰余金が記載されております。

 ですからこの内部留保の項目が大きい企業はかなりの金額の納税を行い、かつ配当を行なっても尚、利益金が残っている事になります。

 日本の企業で言えば、この内部留保という観点では任天堂や養命酒製造株式会社などの決算書が理想的ではないでしょうか?

 任天堂は長期的に続いた円高の影響や家庭用ゲーム機の販売の低迷(ゲーム機市場そのものも縮小傾向にある)などが経営を圧迫し、大きな赤字決算となり不安視も多く今までのような投資対象としての視点からは外れるように見えるものの、やはり連結決算書の優良性は変わりません。

 キャピタルゲインを狙う場合は、莫大な借入金を抱えながらも海外進出やM&Aなどで拡大していく一時の楽天などのような勢いのある企業をポイントでつかむことも考えてみる。

 これは大きな借り入れができることもひとつの魅力であるし、ヤフーのように借入金が小さく通信という基盤を保有している企業の方が安定しているように見えても、やはり成長力を期待するような投資スタイルで向きあう。

 逆にインカムゲインを狙う場合は、いわゆるバフェット流で独自の指針を元に投資銘柄を選択する。

 基本中の基本ではあるものの、その指標のひとつに「ずば抜けた内部留保」という視点を加えると安定性が高まるように近年は感じます。

◆源泉納付書はどこでもらうの?登録配当等の所得税徴収高計算書の解説

◆源泉税納付書はどこでもらうの?
 個人で株式投資をしている場合に自分で確定申告を行う場合は配当所得に関する所得税と住民税(地方税)の納付義務が生じます。

 納付の際は納付書に配当金額と課税対象となる金額を記載剃る必要があります。

 尚、配当所得に関する納付書は税務署の窓口で交付してもらうことができます。

 配当所得に対する課税は総合課税となるため上場企業の場合と非上場企業の場合で税率は異なりますが住民票で登録されている住所の管轄エリア内にある税務署に行くと良いでしょう。

 尚、納付書の正式名称は「登録配当等の所得税徴収高計算書」と記載されている納付書が必要となります。

 窓口で株式配当に関わる「登録配当等の所得税徴収高計算書」を下さいと言えばすぐに手に入れることができます。

 尚、国税庁では配当等の所得税徴収高計算書の様式及び記載要領をまとめたPDFファイルを配布しているので一度チェックしておくと良いでしょう。

◆配当金額はどのように決めている?株主総会の内容

◆配当金の金額の決め方(豆知識)
 企業が決算期ごとに分配する配当の総額と、1株当たりの配当金額は決算役員会で話し合われ最終的に株主総会にて決定されます。
 この配当金は、株式投資のインカムゲインにあたる収入で投資家の中にはこのインカムゲインを狙い決算期近くに株式を買い付ける動き(配当取り)が見られる場合があります。

 配当金は、企業に利益が多く出ている場合は当然株主へしっかりと分配されるべきものです。

 株主は、企業の成長を見込んでその企業に出資者として資金を提供している訳であり、かつ所有する有価証券(株式)は場合によっては資産価値がゼロになるという大きなリスクを背負っております。

 ですから、法人税支払後の利益剰余金が大きく積み上げられる年度では、株主が配当金を要求するのは当然の権利であると言えるでしょう。

 しかし、当期利益額相応の範囲を超えてイメージアップなどの為に配当金を多く出した場合は、その後の営業活動中に資金不足を招く可能性もあり、逆に株価の下落を招く場合もあります。

 その為、あえて配当金を出さずに、利益を内部留保にまわす企業もいますが、この行為についても賛否両論で、企業の配当額の判断は非常に難しい事項と言えます。

 この配当金に関する考え方は国によっても若干異る部分があり、アメリカでは投資専門の会社が大株主となり多額の配当金を要求するケースがあり、配当を行える企業へ成長させる為に経営陣の人選や会社の方向性、経営方針についても提案を行う事が多くあります。

 逆に日本では、株主よりも経営陣の意見が強く反映される傾向がありますが、経済のグローバル化が急激に加速しつつある現代では株主の意見を反映しない株式会社の経営スタイルは淘汰されつつあるのが現状です。

◆配当金は少ない方が良い?

 株主は会社が営業活動を行う為の営業活動費の資本として株式証券を購入し企業から利益の還元を受けます。

 この投資金額は会社側にとっては原則返済不要の資金調達源であるため、銀行などの金融機関から調達する資金よりもリスクが少なく使用用途に関しても柔軟に活用できるという大きなメリットがあります。

 このような経緯からも会社側としては銀行に頼らずに大きな資本を集めることができる株式による資金調達ほど理想的な資金調達方法はありません。

 会社は株主を資本を活用し利益を出し株主へ一部を還元する。

 株主は出資金の範囲内でリスクを負い、経営方針を確認する。

 この双方のチェックを重ねて事業計画を見直し経営方針を定めながら営利活動を行なっていくのが株式会社です。

 但し、配当金は経費算入されない税引後利益から行う配当であるため、投資家は無理な配当をするよりも年度によっては無配を好むケースもあります。

 これは配当を行なうことで会社の経済的な体力が削がれるならば、利益剰余金の積立を行い企業価値を高めた方が有利に働くと考えられるケースも多いためです。

 株主は一時的な配当金による利益が得られても株価が下落するようでは最終的な損益が赤字になる可能性があります。

 その為、株主はその年度の決算状況によっては無配を好み、利益を出せない企業体質の変革を求めるのです。

 尚、無配の場合、会社側は現在の配当を行えない経営状態を改善する事が求められることになります。

 資金繰りが後々行き詰まると想定される場合は、大規模なリストラ策や経費削減を行う事で収益のバランスを整え経営の舵取りを行なっていく事が大切になるのです。

 現在多くの企業でリストラや早期退職希望者を募る活動が盛んに行われておりますが、このような財務の健全化を計る政策は企業の株価を押し上げるひとつの要因ともなります。

◆所得税・地方税の税率一覧表(最新情報)

◆株式配当金の所得税・地方税の税率について
 株式配当金の源泉税(源泉徴収税)は、所得税及び地方税の2種類の税金が徴収されます。

 所得税は国に収める税金、地方税は文字通り地方自治体や県に収める税金と捉えるとわかりやすいかもしれません。

 個人で活動を行う場合は投資運用が赤字であった場合や経費がかさみ利益が減少した場合などは確定申告によって源泉徴収税の一部が還付されるケースもありますので、経理はしっかりと記帳を行うのが基本です。

 尚、配当金源泉税は条件や期間によって軽減税率の適用を受けることができる場合もあります。

 期間や条件はその都度変化しますのでここでは最新の配当金源泉税率を表示するように心がけます。

◆株式配当金源泉税の基本税率表

 上場株式は10%というイメージがありますが、これは軽減税率の適用を受けているからであり、株式配当金の基本税率は原則として以下のとおりです。

 上場企業株式と非上場企業株式では納税先も異なる点がポイントです。

【株式配当金源泉税の基本税率表】
株式・証券の種類所得税(国税)の源泉徴収税率地方税の源泉徴収税率総合の源泉徴収税率
上場株式15%5%20%
非上場株式20%0%20%

◆軽減税率と期間

 株式配当金源泉税の軽減税率は一定期間に限り特例で認められている軽減税率です。

 ここ数年は軽減税率の適用が納戸も延長されてきておりますが、同じ軽減税率が継続的に適用される保証はもちろんありません。

 尚、赤い文字で記している部分が適用後の実際に納税義務を負う税率となります。

 非上場株式の軽減税率はご覧の通り適用はありません。

【※適用期間について】
以下の軽減税率表は平成21年1月1日から平成25年12月31日までの間に支払を受けるべき上場株式の配当が適用となります。

【株式配当金源泉税の軽減税率と期間の一覧表】
株式・証券の種類所得税(国税)の軽減税率地方税の軽減税率軽減税率適用後の源泉税率
上場株式15%⇒7%5%⇒3%20%⇒10%
非上場株式20%⇒20%0%⇒0%20%⇒20%

【MENU一覧】