リベロの基礎知識【バレーボール】

バレボールアスリートのリベロの役割・ルール・技術を初心者向きに解説

◆リベロとは?

 バレーボールはネットを挟んで行われるスポーツ競技の中でも最大のネットの高さが規定されているスポーツ競技です。

 またネット上部の空間で行われる絶対不可欠であるブロックという技術が求められる競技でもあるため、身長がただ小さいと言うことだけでも戦術面においてチームに影響を与えてしまう競技でもあります。

 ですから身長の大きさがどうしても有利に働く競技であると言えます。

 このバレーボールというスポーツ競技の性質そのものを大きく変えた「リベロ制」の導入は小さなバレボールアスリートにも大きな希望を与える効果をもたらしました。

 そして現在ではリベロポジションは世界的にも人気のある倍率の高いポジションとなりつつあります。

◆リベロの歴史

 バレーボールの国際大会やオリンピックでは多くのリベロ選手が毎回のように活躍し注目を集めております。

 現在のバレボールではリベロは欠かせない存在であり、リベロプレイヤーを含めたフォーメーションや戦術が主流となっているのが現状です。

 このように、すっかり定着した感のあるリベロ制度ではありますが、バレーボールのリベロ制度が国際ルールとして国際連盟(FIVB)に正式に認定導入されたのは1998年の事ですから比較的新しいルール制度であることが解ります。

リベロ制度はいつから導入された?【画像】

 このリベロ制度は1996年のアトランタオリンピックの年に行われた「ワールドスーパーチャレンジ」とその翌年にあたる、1997年に行われた「ワールドグランドチャンピオンズカップ」で初めてリベロ制度が試験的に導入された経緯があります。

リベロ制度導入までの流れ【画像】

 当時は、リベロ独特のルール・プレイ制限などに戸惑う選手も多くいました。

 しかし、二つの大きな大会で試験的に導入し形がある程度見えてきた翌年には国際連盟ルールとして正式にバレーボールのルールに導入されました。

 尚、日本初の男子リベロプレイヤーは元NECブルーロケッツ(2009年に廃部)の選手であった大関元樹選手、女子初のリベロプレイヤーはユニチカ・フェニックス(現東レ・アローズ)の中村和美選手です。(共に1996年のワールドスーパーチャレンジ)

 また、国際ルール認定後の日本初リベロプレイヤーは同じく元NECの西村晃一選手です。

◆FIVB(バレーボール国際連盟)

 FIVBとは1947年4月20日に発足されたバレーボールの国際統一組織の略称です。

 詳しくはフランス語で「Federation Intemationale de Volleyball」となります。

 Federationとは「連盟」、Intemationaleは「国際」の意味で、Volley「バレー」のVとball「ボール」のBを含め4つの頭文字…⇒続きを見る

◆リベロの役割はまずレシーブ

 リベロの役割は単純にレシーブをするという守備要員という役割だけではありません。

 もちろんリベロは攻撃的なプレー全般が禁止されているように守備のスペシャリスト的なポジションである事からレシーブ力の無い選手がリベロになるような事も当然ありません。

 ですからリベロはまずチームの誰よりもレシーブが上手である事が最低条件のポジションである事は間違い無いと言えるでしょう。

 セッターはゲーム中においては「司令塔」、また「コート内の監督」とも言われます。

 そのセッターがトスを上げる前には必ずセッターへ返すレシーブが必要です。

 当然ながらレシーブは正確であるばあるほど多彩な戦術が可能となります。

 この際、優秀なリベロがセッターへの安定した返球をこなしていれば、チームの守備力も、そして間接的に守備力だけでなく攻撃力も高める事に繋がり、セッターは司令塔として多彩な読みづらいトスワークが可能となります。

 この事からもリベロの役割は、多彩なフォーメーションへ繋げるための安定したレシーブを供給するという役割があります。

リベロの役割とは?【画像】

◆ディフェンスシステムを機能させる重要な役割

 近年のバレーボールではレセプション返球率(サーブレシーブの返球率)を個人ごとにデータ化し、レセプション返球率の低い選手へサーブを集中させる戦略が多く取られます。

 この際、圧倒的に高いレベルのレセプション返球率を誇るリベロ選手がコート内に居る事は相手にとって面倒なことです。

 データバレーが進む近代バレーボールでは、リベロの存在によってサーブエリアを限定される事にも繋がり、間接的な脅威を与える可能性がある為です。

 また、近年のバレーボールでは相手のフォーメーションによってブロックを変更する「ブロックシステム」を各チームが導入しております。

 ブロックシステムではブロックコースを限定しリベロ選手方向へスパイクを打たせるような戦術も存在することからも、リベロ選手の役割は、幅広いディフェンスシステムを機能させる重要な役割を担っていることが解ります。

リベロの戦術的な役割【画像】

◆リベロ独特の特性

 リベロ独特の特性の一つとして審判の許可を得ることなくコートを出入りできるという特性があります。

 リベロ制度の導入前は、監督の言葉をコート内の選手に伝える為に、タイムアウトを使用せずにメンバーチェンジ等で代用するなどの戦術がなされていました。

リベロの戦術的な役割【画像】

 しかし、リベロ制度導入後はコート内外を自由に行き来できるこのリベロの特性は、「コート外の監督」「コート内の選手」を繋ぐパイプラインとしての役割も担うようになってきております。

 戦術的にも、このコート内外を自由に出入りできる特性…⇒続きを見る

◆リベロ選手独自のルール

 リベロ選手には独特のルール・規制が設けられております。

 一番解りやすいのはユニフォームの色が一人異なる点ではないでしょうか?

 リベロにはこの他にも、リベロ以外の選手とは異なる幾つかの独特の決まりごとがあります。

 これからバレーボールを始めてみようと思われている方は、一度リベロ専用のルール・決まりごとについて確認しておくことをお勧めします。

 主なルールは以下のとおりです。

◎リベロが交代できるのは後衛の選手のみ
◎交代回数は無制限だがリベロがコート外に出る時は交代時に入れ代ったプレイヤーのみ
◎リベロはサーブを打つ事が出来ない
◎リベロはネットより高いボールをスパイクしてはいけない
◎リベロがフロントゾーンからオーバーハンドにより上げたボールをネットより高い位置でスパイクする事は出来ない
◎リベロは他のプレイヤーと異なる色のユニフォームを着用する

 リベロは基本的に攻撃的なプレイは全般的に禁止されています。

 これはもしリベロプレイヤーに攻撃的なバックアタックなどを認めてしまうと、場面によっては守備を捨てバックアタックが得意な大型選手を常時リベロに配置するような戦術などが用いられるようになる事が容易に想定されます。

 これではリベロポジションが作られた本質である、「小さいプレイヤーにも活躍の場を」というコンセプトそのものが守られなくなってしまいます。

 その為、リベロ選手の攻撃的なプレイは全般的に禁止されております。

◆リベロ制度の導入はチームによる

 現在では当たり前になっているリベロ制度ですが、リベロは必ず使わなくてはいけないという規則はありません。

 しかし、前述したようなリベロの特性を上手に活用する事で試合運びを有利に展開していくことが可能となります。

 例えばレシーブの苦手な大型選手がローテーションで後衛になった時は、ローテーションで前衛に来るまで温存するなどチーム事情によっても様々なリベロを活用する戦術が採用できるためです。

 リベロはバレーボールのゲーム…⇒続きを見る

◆リベロの語源

 リベロポジションはサッカーにおいてもバレーボールにおいても基本的に守備的なポジションです。

 しかしこのリベロという言葉の語源をたどると、そのものの意味はイタリア語で「自由」という意味を持っており、「守備」という意味はありません。

 バレーボールではリベロプレイヤーは審判の許可を得ることなく自由にコートを出入りできるポジションであることから文字通り「リベロ」の意味に類似するポジションがリベロであると言えます。

 但し自由に出入り出来るリベロプレイヤーではありますが、リベロポジションは「リベロ独特のルール」に縛られている部分もありプレイへの規制…⇒続きを見る

◆リベロの技術

 リベロはレシーブの専門職とも言えます。その為、強力なリベロがいるチームは、それだけで守備力が強くなります。

 ですからリベロの技術的な面で最も大切なことは間違いなくレシーブです。

 レシーブ技術にはオーバーハンドレシーブ・アンダーハンドレシーブがあり、フライングレシーブ・ローリングレシーブなどの技術に発展していきます。

 また、レシーブによるボールのコントロール能力は最も重要視される技術でもあり、アンダーハンドで「2段トス」を正確に上げる必要性が求められる為、リベロ選手は各技術の正確性も求められる事になります。

◆サーブレシーブ(レセプション)

 バレーボールは必ずサーブからスタートします。そして、このサーブの1回目のレシーブを「レセプション」と言います。

 このレセプションのセッターへの返球率が安定しているチームは、サーブレシーブ後の多彩な攻撃を産み出すことに繋がるため、レセプション返球率が高く守備力が高いチームは多彩なフォーメーションを使用しやすいチームであると言えます。

 尚、この返球率はサービスを打ち込むエリアによっても統計的に返球率が大きく異なる特徴を持ち、また各チームによっても返球率の高いエリア、低いエリアといったチームの傾向が見られる点も一つの特徴です。

 その為、事前に相手チームのセッターへのレセプション返球率のデータの収集を行い、ゲーム前にサーブポイントを確認する事が戦略上大切なポイントとなります。

◆スパイクレシーブ(ディグ)

 リベロはやや地味な職人的なポジションに見られがちではありますが、リベロ選手の花と言えばやはりスパイクレシーブです。

 相手チームのエースが打ち込む強力なスパイクを瞬時に反応してレシーブし、かつセッターにピタッと返球されるシーンを見ると、とても人間技とは思えないような感じがします。

 前述したようにサーブレシーブはレセプションと呼ばれるのに対して、このようなスパイクレシーブの事を「ディグ」と呼びます。

 ディグの効果的な練習方法として代表的な練習を一つ挙げるとすると、台に乗ってネット上から打ち込んでもらったボールをひたすら拾い続ける有名な練習方法があります。

 より実践に近い高さから打ち込まれる為、するどい感覚が養われる練習です。

 バレーボールのスパイクは、全日本男子の場合320cm〜350cm程度の高さからスパイクが放たれます。

 バスケットボールのリングの高さが305cmである事を考えると、レシーブする側としては低い姿勢を保ちながらディグをする為、上方へ向きながらのレシーブは慣れるまでは恐怖感も強くなります。

 リベロプレイヤーは瞬時にコースを予測し男子であれば「130km〜140km」を超える速度に達することもあるスパイクを拾い、しかもそのレシーブをセッターにコントロールし…⇒続きを見る

◆バレーボールの基本ルール

 バレーボールをこれからはじめてみよう!という初心者の方の為に、バレーボールをする上で最低限知っておくべき基本的な言葉とルールをまとめました。

 ここに掲載している用語は基本的な用語・ルールが中心となっております。

アウトオブ・バーンズ
 アンテナやアンテナ外のネット、天井その他コート外のものに触れる反則。

アンテナ
 ネットの両サイドに取り付けられているポール。

オーバーネット
 相手コート上のボールに触れる反則。ブロックの際はトスしたボールでなければ反則とならない。

サイドアウト
 サーブ権の交代のこと。

センターライン
 コート中央、両コートの境目部分、ネットの真下にあるラインのこと。

タッチネット
 ネットに触れる事。ファウルの一つ。

チェンジコート
 コートの入れ替え。ゲーム開始時には、サーブ権とコートのどちらを選択するかの権利をコイントスで決める。

ディグ
 スパイクレシーブのこと。ブロックシステムではディグの得意な選手にスパイクを打たせるようにブロックシステムを構築するケースもある。

ノーカウント
 どちらのチームのポイントにもならない事。

フット・フォールト
 サーブの際に線を踏む反則。

ボール・アウト
 ボールがコート外の床に落ちること。

ボール・イン
 ボールがコート内の床に落ちること。

ラインアップシート
 チームのメンバー表の事。試合前に審判に提出する。

リベロ
 守備を得意とする選手が選ばれる事が多い独特のルールを持つ専門ポジション。

レセプション
 サーブの1回目のレシーブのこと。セッターへの返球率をデータ化したものがレセプション返球率。

ローテーション
 サイドアウトする度にプレイヤーが時計回りでポジションを移動する事。審判はこのローテーションに間違いがないか毎回チェックする必要がある。ゲーム中はローテとも呼ばれる。

ワンタッチ
 主にスパイクしたボールが相手コート外にボールが落ちた際に通常はアウトとなるが実は相手プレイヤーのブロックが触れていた場合にワンタッチと言う。ゲーム中ではプレイヤーは「ワンチェ」と略す事が多い。


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