ルーティンの意味

イチロー選手のパフォーマンスルーティーンから学ぶべきこと

◆イチロー選手は毎回のバッターボックスで同様のしぐさを一度も欠かさず行っている

 あなたは、イチロー選手がバッターボックスに入った際に、袖を引っ張りながら、バットの先端を投手側バックスクリーン方向へ向けるしぐさ行っているシーンを見たことがあるのではないだろうか?
 イチロー選手が好きな方であれば、このイチローのしぐさは何度も何度も目にしていることだろう。
 そしてイチロー選手のファンであれば、イチロー選手が毎回のバッターボックスで同様のしぐさを一度も欠かさず行っていることにも気づいているはずである。
 更に、猛烈なイチローファンの方であれば、イチローはバッターボックスに入る前のネクストバッターズサイクルの中から、十数個の一定の規定動作を行っていることにも気づいているかもしれない。
 このように同一の決められた動きを行うことをルーティン、もしくはルーティーンと呼ぶ。
 スポーツアスリートの中には、イチロー選手の他にも多くの選手がこのルーティンを行っており、自分のパフォーマンスの向上に役立てている。

◆トップアスリートになればなるほどこのルーティーンを取り入れる

 ルーティンを取り入れている意味を考える。
 当サイトでは、特にスポーツアスリートのルーティンについて考えていく。
 もし、現在あなたが何かのスポーツに取り組んでいるのであれば、何かのヒントが得られるきっかけとなるかもしれない。
 トップアスリートになればなるほどこのルーティーンを取り入れる選手は多くなる傾向にある。
 今後テレビなどでスポーツ観戦をする時は、どのようなルーティンがあるかを探してみるのも面白い。
 ほとんどのトップアスリートが一連の動きを取り入れていることに気づくだろう。
 そして、その動作を大切に行っていることにも気づくことだろう。

◆ルーティン(routine)とは、決められた一連の動き、決められた一連の動作

 ルーティン(routine)とは、決められた一連の動き、決められた一連の動作。
 この他、決められたパターンなどの意味を持つ。
 スポーツで言えば「型にはまった一連の動作」と考えるとわかりやすいかもしれない。
 ルーティン化という言葉を耳にしたことがある方は、何となくイメージがわきやすいのではないだろうか。
 ルーティン化とは、もともと不定期、不順で行っていた作業などを、一連のつながった動作としてパターン化していくことを指す。
 多くの場面では、ビジネスなど仕事に関する作業のルーティン化という言葉で目にすると思う。

◆ルーティン化がもたらすスポーツアスリートに与える最大の影響はメンタル面にある

 ビジネスの局面におけるルーティン化とスポーツにおけるルーティン化のメリットに関しては後述していくことにするが目的が若干異なる点がポイント。
 ルーティン化がもたらすスポーツアスリートに与える最大の影響は、メンタル面にあると考えられているからだ。

◆ビジネスのルーティン化のメリット!

 ここではスポーツアスリートのルーティンの目的の解説に入る前に、ビジネスにおけるルーティンの取り組みについて先に見ていくことにする。
 まずビジネスにおける作業でルーティン化が必要とされる対象となる最大の作業は「事務作業」などの毎日欠かすことができない作業が主力となる。
 時間の管理や、作業の効率アップを目的としてルーティン化が検討されるケースが最も多いと言える。
 最大のメリットは、作業の効率アップ。
 次いでミスが少なくなるなどの多面的なメリットがある点も見逃せない。
 また、ルーティン化を行うことによって、マニュアル化することも可能となる作業が多く、このメリットも経営者側としては見逃せないポイントである。
 実際、ルーティン化に関するプロのコンサルタントの指導を受けた企業の業績がV字回復するようなケースも見うけられる。
 週刊ダイアモンドなどのビジネス誌を見てみると、ルーティン化、システム化という言葉が毎回のように取り上げられている。
 簡単に思えるルーティン化ではあるが、そのルーティン化にはその分野ごとにポイントがあり、適切なルーティン化を施さない限り、十分なメリットを享受することはできない。

◆ビジネスのルーティン化を行う為のポイントは誰でもできるほど洗練されたルーティンであること

 尚、毎日繰り返される業務のルーティン化を行う際の最大のポイントは、チェックシートなどを用いて仕事を進めていくこと。
 誰にでもできる仕事となるまで洗練されたルーティン化を達成するには、個人個人の思考が極力関与しない型をもつことが求められるのだ。
 ただしルーティン化を図るという事は仕事としての面白みに欠けるという可能性も併せ持つ。
 しかし、ルーティン化という側面からのみ考慮した場合は、「個人の思考を関与させないシステム」であることがベストである。
 作業の大半の時間は、物を探す時間であったり、ひとつの作業中に次の作業が重なってくるなどの場面であるというデータが時間管理術のベストセラー作家も提唱している。
 その都度、動きが止まり複数の事を考えながら行動をしていくと作業の効率は低下する。
 ビジネストレーニングとして、複数の作業を並行して同時に進行していくことはあるが、この場合は個々の能力が必要となってくる。
 誰でも実践できて、誰でもほぼ同様の結果が出るルーティーンを作る。
 このような事がもし達成されたならば、企業にとっては大きな武器となるはずだ。
 また、個人個人にとっても時間を生み出すという多きなメリットを得られる可能性がある。
 ビジネスのルーティン化のメリットは計り知れず、現在大きな注目を集めているのが現状だ。

◆スポーツ選手のルーティンとは?9年連続200本安打という偉業を成し遂げることができた理由。

 スポーツ選手が取り組むルーティンには、ビジネスルーティンとは別の意味合いをもつものが幾つかある。
 まず、毎日の練習をルーティン化させて効率を上げる。
 このようにビジネスのケースと同様の目的でルーティン化を図る場合のメリットは、スポーツにおいても同様のメリットが得られことが想定される。
 イチロー選手は、この毎日の練習においても同様のルーティンワークを取り入れていることで有名だ。
 有名なところでは、スタジアムに入る足を決めておく。
 練習で走り始める足を決めておく。(これは不倫問題で話題となってしまったかのタイガーウッズも同様)
 などのゲン担ぎ?のようなものから、毎日何時間もかけて行うウォーミングアップのたとえば、ストレッチなどに関しても一定の手順でアップが進められていく。
 毎日、同様のウォームアップメニューを毎日ほぼ同じ時間に、同じ量をこなしていく。
 これがイチロー選手の練習におけるルーティンである。

◆イチローは食事までもルーティン化している?

 「プロフェッショナル仕事の流儀」をご覧になった方は、イチロー選手が9年間、お昼ごはんにカレーを食べ続けてきたことに驚いたことだろう。
 このような食事に関しても日々のルーティン化に関与していると考えることができる。
 ここまで徹底するからこそ9年連続200本安打という偉業を成し遂げることができた。
 更に言えば、ここまでストイックに毎日の生活をルーティン化していくことができれば、もしかしたらイチロー選手に近づくことができるのかもしれない。
 しかし、9年間同じ食事とは、さすがに取り組む前に心が折れそうな気もするが・・・・
 このありえないようなことまで管理しきっているからこその、想像を絶する結果が今のイチロー選手を作っているのは間違いないと言えるだろう。
 決して才能だけではない。
 自己管理レベルがすでに桁違いのレベルなのである。
 毎日カレーなんて体に悪そう・・・・
 栄養面は大丈夫?
 なんて言うスポーツ栄養学などをちょっぴりかじった程度の常識かぶった知識を振りかざすような次元でイチローは戦っていないのだ。

※追記:イチローはその後10年連続200本安打を達成。毎日の定番食であるカレーライスであったが、現在は年齢を考慮し炭水化物中心の「そうめん」と「ライス」に変わっている。そうめんとライスという炭水化物同士のなかなかありえない組み合わせもまたイチローらしさと言えるかもしれない。

◆パフォーマンスルーティーンとは、一連の体の動き(パフォーマンス)を伴ったルーティンワークのこと

 イチロー選手の試合中におけるルーティン化はよく物まねなどで行われている。
 この一連のイチローのルーティンには、ひとつの特徴があることに気付くかもしれない。
 このひとつの特徴とは、「非常にゆっくりと」ルーティン動作がこなされていくという特徴である。
 私が見る限りイチロー選手がネクスターズバッターサイクルからバッターボックスに入り、静止して構えるまでに実に17種類のパフォーマンスルーティーンが確認された。

◆17種類にも及ぶパフォーマンスルーティンが同じスピード・同じ順番で行われる

 パフォーマンスルーティーンとは、一連の体の動き(パフォーマンス)を伴ったルーティンワークのこと。
 また、さらに凄い点は、この17種類にも及ぶパフォーマンスルーティンは、毎回ほぼ同じスピードでゆっくりと行われ、その順番までも変わることがないという点。
 これだけのルーティン手順を一度も間違えずに行っている。
 これはかなりハイレベルなパフォーマンスルーティンだが、イチローだからできることなのかもしれない。
 一番打者であるイチロー選手が1試合にバッターボックスに入るのはおよそ5〜6打席。
 この打席全てで一度イチローの動きを確認してみてほしい。
 さすがにネクストバッターサイクルでのイチローの動きまでは放映されないだろうが、バッターボックスに向かうシーンからだけでもかなりの数のパフォーマンスルーティンを見つけることができるはずである。

◆ダンスのルーティーンの構築は独自性を表現する演出となり演技の評価にも大きな影響を与える

 ダンスブームによって、たくさんの方がボールルームダンスやベリーダンスに取り組むようになっている。
 このダンスの世界にはこのような、柔らかい動きを特徴とするダンスから、競技レベルのダンスがある。
 このダンスの世界におけるルーティーンに関しても、一連の決まり事。
 という言葉が使用されている。
 ダンスで主に使用されるルーティンとは、基本ステップなどをアレンジしながら一定の時間内の一連の動きを構築していくことにあたる。
 その単位がルーティーンとなる。
 このダンスのルーティーンの構築は独自性を表現する演出となり演技の評価にも大きな影響を与える。

◆基本となるステップワークがあるのはダンスもエアロビクスも同じ

 これはエアロビクスにおいても同様である。
 もともと基本となるステップワークや各種の技があるが、それらのコンテンツを組み合わせて流れを構築しルーティーンを完成させていく。
 もちろん、アレンジを加えながらオリジナルのルーティンを構築できるかがポイントとなるが、ハイレベルのアスリートほど難易度の高いルーティーンを構築していく。
 また見る者を引きつける一連のルーティーンを作り上げている。

◆精神的に練習時と同じ動きを行って練習時のベストの状態にまで精神状態を誘導していくことが大切

 パフォーマンスルーティーンを行う上で最も重要なことは、その動きがゆっくりであること。
 ここがポイントにあるように思う。
 ゆっくりと丁寧にルーティーンをこなしながら、肉体との会話を行う。
◆関節はどうだ?
◆筋肉に痛みはないか?
◆細胞は目覚めているか?
◆いつでも戦える状態になったか?

 などなど、毎日行っている動きをゆっくりと行いながら自分自身の精神状態も作り上げていく。
 これが可能となる為には早すぎるルーティンは適さない。
 体を動かしながら、緊張をほぐしてリラックスをする。
 それ以上に、精神的に練習時と同じ動きを行って練習時のベストの状態にまで精神状態を誘導していくことが大切となる。

◆スポーツアスリートがルーティンを取り入れるメリットを考える

 スポーツアスリートがとりいれるルーティンは、練習時などの精神状態にいつでも一定の手順を得て戻ることができる。
 もしくは誘導することができる点が最大のメリットであるように思うのだ。
 では次は、自己流のパフォーマンスルーティーンの作り方について見ていくことにしよう。

◆自分のオリジナルのパフォーマンスルーティーンの構築をあなたも一度考えてみてはいかがだろうか?

 パフォーマンスルーティーンを作る最大のポイントは、前項でも掲げたとおり「ゆっくりとした動作」であること。
 このポイントにくわえ、自分がこれから行う動作に近い連動する動きを取り入れておくこと。
 この2点がポイントに挙げられる。
 例えば、ゴルフなどの場合は、スィングの際に上半身と下半身の捻転が必要となる。
 捻転とはひねりによって生じるねじれの度合いのこと。
 その為、ゴルフのルーティンを考える場合は、この捻転差を生みだすゆっくりとした動作をルーティンに取り入れることを条件に構築していくことがひとつのヒントとなる。
 スイミングの子供たちを指導する場合には、簡単ではあるが「腕をゆ〜っくりと大きくまわそう!」などのルーティン指導を取り入れることもできる。
 こうして肩関節まわりの意識しづらい肩甲骨を一度使ってあげるのだ。
 また、バスケットボールでは、フリースローなどの場面でシュートフォームをなぞるなどのルーティーン動作を取り入れることが検討できるかもしれない。
 リンク栃木の田伏雄太選手のフリースローはかなり早い。
 しかし手順は少ないものの、やはりルーティンは存在する。
 バレーボールのサーブレシーブなどの場面では、短時間で行える地面に手をつくなどをして姿勢を低く保つルーティーンを取り入れることもできる。
 これはリベロプレーヤーの多くが実際に実践している。
 以上、いくつかの例をあげてみたがパフォーマンスルーティーンの作成にはポイントはあっても決まったルールはない。
 自分のオリジナルのパフォーマンスルーティーンの構築をあなたも一度考えてみてはいかがだろうか?

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