個人年金保険の利点・欠点

不安定な日本経済市場の中で自分の資産を守るためにできる資産防衛術や対策方法を初心者向きにわかりやすく解説。

◆資産を守る為の対策方法の考察

◆個人年金保険で資産を守る

 度重なる年金制度の改革が続く昨今では、政府や企業に老後の資金の運営を任せっきりにする事も大きなリスクになりつつある。

 個人年金保険が大きな注目を集めるようになったのは、このような不安定な日本の経済事情が背景に潜んでおると言えるじゃろう。

 老後の生活資金として誰もが当てにしている厚生年金や共済年金、国民年金が将来もらえない可能性がある。

 「本当にこのまま政府に任せていて良いのだろうか?」

 そんな不安を誰もが抱えるようになりはじめた近年、各保険会社や金融機関は個人年金保険の営業をここぞとばかりに急速に進めておる。

 しかし、一応確認しておきたいのじゃが、そもそも「個人年金保険」という「金融商品」そのものは以前から存在しておった金融商品のひとつに過ぎないのじゃ。

 しかし、現在のようにここまで日本国民に個人年金保険という保険商品が浸透するとは誰も予想できなかった事じゃろう。

 かつては、収入にゆとりがあるものが将来のゆとりの為に購入する保険が個人年金保険といったイメージが定着しておった。

 位置的には、個人年金保険は公的年金や企業年金にプラスアルファとして老後資金を積み立てておく保険に位置する。

 しかし、現在では国民各々が個人年金保険で老後の資金作りを行うことが当たり前にさえなってきておる。

 現に、保険料控除制度も、個人年金保険料控除や介護保険料控除といった生命保険や医療保険以外の保険料控除が組まれ、政府も加入を促しておる感もあるからのぉ。

 個人年金保険は引退後の老後生活の更なる安定を考慮し、「若年層世代」が将来の資産を守る為のツールとして活用する事はできそうにも思える。

 では、実際に個人年金保険を活用するメリット、そして最も重要なデメリットについて考察していくとしよう。

◆個人年金保険は金融商品の一種

 個人年金保険は「民間の保険会社」が販売している「金融商品」の一種じゃ。

 個人年金保険は現在では保険会社の主流販売商品にもなっており、払込期間や受取り期間などの違う様々な金融商品が濫立しておる。

 しかし、システムは至ってシンプルで一定期間保険料を払い込み、保険会社が運用を行い運用益を上乗せした金額を契約時に定めた期間に渡り受け取れる仕組みとなっておる。

 これは、生命保険と何ら変わらない運用システムであるのじゃが、個人年金保険は従来の生命保険料控除とは別枠で「控除制度」が設けられておるという点を把握しておく必要がある。

◆個人年金保険のメリット

 個人年金保険のメリットは、保険料をただ支払うのではなく、支払った保険料が運用されながら将来的に支払った保険料以上の支払いを受けることができる点にあると言えるじゃろう。

 銀行にお金を預けていても「利息」は確かに発生する。

 しかし、現在の日本の銀行の貯金に対する金利はすずめの涙ほどの低金利状態が続いておる。

 対して個人年金保険の場合はおおよそ年1.25%以上の利回りが補償されておる商品も多い。

 これは海外の「国債」「債権」などと比較すると、決して高い利回りとは呼べない。

 しかし、「401K(確定拠出型年金)」などのように「債権」「株式」「投資信託」についてある程度の知識が必要となる商品よりは、金融商品として初心者にも優しく使い勝手が良い部類に入ると考えても良いじゃろう。

 また、個人年金保険には「個人年金保険料控除」と呼ばれる控除制度があり、支払保険料が年間8万円以上となった場合は、最大で4万円の所得控除を受けることが可能となっておる。

 保険料控除制度を意識した節税効果も含めて個人年金保険のメリットは場合によっては大きなメリットとなると言えるじゃろう。

◆個人年金保険のデメリット

 個人年金保険は前述したように容易に運用が可能である利便性、そして保険料控除による節税効果などのメリットがある。

 しかし、メリットに反するやや大きなデメリットも含んでおる点についてもしっかりと把握しておく事が大切じゃ。

 尚、個人年金保険のデメリットは大きくまとめると以下の3つのデメリットを挙げることができるじゃろう。

個人年金保険の3大デメリット【画像】

 では、ここでは個人年金保険の3大デメリットについて一つずつ内容を確認しておくとしよう。

◆個人年金保険はハイパーインフレに弱い

 個人年金の最大のデメリットは、今後の日本の最大の懸念材料であるとも言える「インフレ」に対する対応能力の低さにある。

 厚生年金などの公的年金は「物価スライド制」と呼ばれる、その時代、年度の物価に合わせて支給額が計算される変動制の仕組みとなっておる。

 しかし、民間が扱っている個人年金保険は、契約した際の金額と運用益を元に支払金額が決定するため、仮に物価が大きく跳ね上がったとしても将来的に貰える金額が変動するような事はない。

 少し極端な事例じゃが、例えば物価が100倍になったとしよう。

 物価が100倍とは単純に、今までは菓子パン1個買うのに100円で購入できたものが、菓子パン1個の値段が1万円になる事を示しておる。

 長年にわたって個人年金保険料をようやく払い終え、いざ年金の支給を受ける年代になった時に急速に貨幣の価値が減少する「ハイパーインフレ」などが起こると正直目も当てられないダメージを受けることは容易に想像できる事じゃろう。

 仮に月々10万円支払の個人年金保険に加入していたとしても、このケースでは毎月菓子パン10個しか購入できない事になる。

 事例では100倍として例をあげたが、歴史を紐解くと100倍程度のハイパーインフレは決して珍しい事でもない。

 そしてこのようなハイパーインフレ状態に日本が陥る可能性がある点も否定できないという訳じゃ。

◆保険会社倒産のリスク

 個人年金保険は基本的に民間の保険会社から金融商品を購入する。

 保険加入の窓口は保険セールスマンやセールスレディー、そして金融機関など様々であるが実際に運用を行っているのは「民間企業」であるという事実も不安要素の一因じゃ。

 これは、保険会社が保険料の支払いを行うために積み立てておく「責任準備金」と呼ばれる資金を十分に積立できていない民間保険会社が多くある事からも大きなリスクであると言えるじゃろう。

 要は民間会社である以上、会社倒産のリスクというデメリットも常に考慮しておかなければいけないという訳じゃ。

 当サイトの趣旨でもある「資産を守る」という概念のみで考えると、これらのデメリット要素は高い意味を持っておると言えるじゃろう。

◆解約・元本割れによるリスク

 個人年金保険は原則として保険商品である以上、一定期間掛金をかけ続けない限り「元本割れ」を起こす金融商品じゃ。

 また保険料控除の適用を受ける場合は幾つかの条件を満たした保険商品を選択する事が必要になっておる。

 保険料控除を受ける為の条件には以下のようなものがあるので覚えておく事が大切じゃ。

①個人年金保険料税制適格特約のある商品であること
②年金受取人が契約者もしくは配偶者のどちらかであること
③年金受取人が被保険者と同一人であること
④個人年金保険料の払込期間が10年以上の商品であること
⑤確定型商品の場合は年金支払開始年齢が60歳以上かつ年金受取期間が10年以上であること

 これらの条件を満たし、保険料控除を受けた場合は元本割れ以前に原則として「保険の解約」を行う事が出来なくなっておる。

 また60歳未満の段階で支払い済みの保険料を受け取る事もできない為、老後資金として積み立てる際は万が一の入用時に備え「定期貯金」などと組み合わせて総合的に資産運用を行う必要があると言えるじゃろう。

◆個人年金の評価・インフレの影響

 個人年金保険は、将来の「老後の資金を貯める」という意味では重要な位置づけをもつ商品である。

 定期貯金であれば一定期間ごとにいつでも解約しやすいという利点がある。

 しかし、保険商品の場合は途中で解約した場合に解約返戻金が元本を下回るいわゆる「元本割れ」を生じる可能性が高いため、簡単に短期で解約に至るケースがとても少ない事も事実じゃ。

 また、前述したように「個人年金保険料税制適格特約」のある商品を選択し保険料控除を受ける場合は資金の自由度に関しても大きな制限が加わる事になる。

 但し、逆に言えば強制的に老後資金を積み立てる事が可能な保険商品であると考える事も可能じゃ。

 こうして考えると月々の貯蓄が苦手な方の場合は個人年金保険で老後資金の貯蓄を始めるためのツールとしては有効な金融商品になり得る事は間違いないじゃろう。

 しかし、資産を守るという観点のみから考えた場合は、「ハイパーインフレ」「円安」などの相場の影響を強く受ける金融商品である点は見逃すことはできない。

 その為、個人年金保険は資産を守る方法として優秀な選択肢であるとは言い難いと言えるじゃろう。

 もし、個人年金保険の活用を検討していく場合は、他の資産運用方法と組み合わせてリスクヘッジを図ることが大切じゃ。

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