股関節周囲の筋力強化と柔軟性(連動の意識)

股関節を柔らかくし関節可動域を広げるストレッチ方法、股関節を鍛える強化トレーニング方法を解説。

◆股関節を鍛えるトレーニングについて

股関節は人体に幾つもある関節の中のひとつの関節組織である。

その為、当たり前の話になるが厳密には股関節そのものを鍛える事は出来ない。

しかし、股関節の構成に関与する組織である「筋肉や腱組織」の筋力及び柔軟性を鍛える事で、股関節の安定を図ったり、股関節への負担を軽減する事は可能である。

ストレッチが股関節のトレーニングで使用されるのは、ストレッチによって関節周りの組織にダメージを追う事が原因にある。

例えゆっくり行う静的ストレッチングであっても筋肉や腱の細胞組織は、非常に小さな部分断裂を発症し、傷を負うことになる。

この微断裂が発症する事で、細胞組織は再生の際に、以前の動作に耐えうる構造に徐々に変貌を遂げるようになる。

◆柔軟性を高めるトレーニングの考察

このような人体のメカニズムが見えてくるようになると普段使用しない筋肉や腱組織をただ使用していく(ここではストレッチしていくという事)だけでも股関節全般のトレーニングに繋がっていると考える事もできる訳である。

もちろん筋力トレーンングのようにウエイトを使用してバリバリ筋細胞を破壊し成長ホルモンの分泌を計り、栄養素を補いながら筋細胞が細胞組織を修復していくようなトレーニングとは一線を画するが、「使っていく」と言うシンプルな発想が柔軟性を高めるトレーニングにおいては、ひとつのターニングポイントとなっている点を把握しておいて欲しい。

実際に高齢者に指導を行っていくような経験を積んでいくと、普段使っていない組織や関節を上手に使えるようになるだけでも十分に機能が回復して来る事がわかる。
これはもちろん本人も実感できる事であり、また本人が取り組むべきハードルもやさしく継続に繋がりやすい。

股関節の柔軟性を高めるトレーニングに関しては内側広筋を鍛えあげろ!内転筋全般を鍛えあげろ!外側広筋や腸腰筋がポイントだ!などの何とも難しく感じるような専門的な名称をただ並べ上げた解説が多いが、大切な事は知識の披露ではなく、本人が取り組める内容であるか?本人が実感できるか?という点にある。

◆柔軟性の強化と股関節周りの筋肉組織の連動

関節の可動域が広がる事はスポーツアスリートにとっては競技パフォーマンスを高める事にも繋がる。

その為、股関節周りの組織にある筋肉組織の柔軟性を高めていくことは実践競技の能力を向上させることにも繋がっていくことになる。

股関節周りの筋肉や腱組織の多くを動員するスクワット系のメニューは、全般的に組織を連動させるという点では効率の良いメニューであると言えるかもしれない。

股関節そのものは前述したように鍛えることができないが、柔軟性の強化と、股関節周りの筋肉の連動性を高めることでより安定性の高い股関節へと強化していくことは可能である。